Ivorybooks

Ivorybooks 2021年4月から当面の間、閉店時間が16時に変更となりました。ご了承ください。
食や暮らしを、中心とした本をメインに取り扱っています。新刊書籍および古書の販売・買取をしています。

「新百姓03 音を楽しむ」新刊 |  ている舎 | ¥3,1501年ぶりの新刊が出た新百姓シリーズ。第三弾は「音を楽しむ」です。つくることを楽しむ人々を指す言葉として「新百姓」という言葉を選んだということで毎号、テーマは異なりますがベースに...
06/06/2026

「新百姓03 音を楽しむ」
新刊 | ている舎 | ¥3,150

1年ぶりの新刊が出た新百姓シリーズ。第三弾は「音を楽しむ」です。
つくることを楽しむ人々を指す言葉として「新百姓」という言葉を選んだということで毎号、テーマは異なりますがベースにあるのは「楽しみながら、何かを作り出す人々」にスポットを当てて制作されています。
毎号の表紙を見るのが楽しみの一つであるのですが、今回はパンチが効いた高齢女性が表紙を飾っていて、いったいこの女性は何者なのか?という強烈なインパクトと好奇心からグイグイ読み始めた本誌。女性の正体はもちろんのこと「音を楽しむ」ということに対してのものの見方について様々な視点からの考え方に出会えました。
今回も増刷はなく、ロットNo.を1冊ずつ手打ちで刻印している仕様で本の向こう側に作り手の気配を感じられる一冊です。

#本 #本屋 #アイボリーブックス
#新百姓03

今月も始まりました。今年も真ん中までやってたぞと感じる6月です。雨が増える季節、夏に向けて今年も自家製梅ジュースを仕込み始めたいと思います。今月もどうぞよろしくお願いいたします。   #白浜  #和歌山  #本屋
31/05/2026

今月も始まりました。
今年も真ん中までやってたぞと感じる6月です。
雨が増える季節、夏に向けて今年も自家製梅ジュースを仕込み始めたいと思います。
今月もどうぞよろしくお願いいたします。

#白浜 #和歌山 #本屋

「人間観察Vol.1 サイゼリヤ」/ しろくま舎新刊 |ZINE   | ¥1,000どこか見覚えのある文字と色合いのZINEが入荷しました。毎号1つのテーマを掲げ、寄せられた内容はエッセイ、漫画、詩、小説、評論など様々なジャンルが集まった...
20/05/2026

「人間観察Vol.1 サイゼリヤ」/ しろくま舎
新刊 |ZINE | ¥1,000

どこか見覚えのある文字と色合いのZINEが入荷しました。
毎号1つのテーマを掲げ、寄せられた内容はエッセイ、漫画、詩、小説、評論など様々なジャンルが集まった文芸雑誌。
創刊号のこちらのテーマはそのまんま「サイゼリヤ」、残念ながらここ、紀南にはサイゼリヤがないのですが各作品を読み終えたあとに載っている著者の方々の「教えて!あなたのサイゼ1000円セトリ(Set List)」のメニューを見ながら自分のセトリに想いを馳せてたっぷり楽しめる内容でした。
次にサイゼにいくのが楽しみになる一冊ですね。次号も楽しみです。

#本 #本屋 #アイボリーブックス
#しろくま舎

10/05/2026

15歳の年に、母は家を出ていった。
父は酒に酔って用水路に落ち、そのまま帰ってこなかった。

それから私は、伯父の家と叔父の家に世話になった。
どちらも田舎で畑をやっていた。余裕なんて、どこにもなかった。

食卓に箸が一膳増える。
それだけで、暮らしの重さは変わる。

叔母は、いとこが着古した学校指定のジャージをほどいて、袖を少し継ぎ足してくれた。
それを私は、さらに二年着た。

紺色のジャージだった。何度も洗われて、色が白っぽく抜けていた。
継ぎ足した袖だけ、少し色が濃かった。縫い目は細かくて、きちんとしていた。

腕を上げると、手首のあたりが少しきつい。
でも、字を書くには困らなかった。

ある日、隣の席の女子がそれを見て、小さな声で言った。

「その服……」

そこまで言って、彼女は黙った。
私は「うん」とだけ答えて、またノートに向かった。

言わなくても分かることがある。
貧しさは、あの継ぎ足した袖みたいなものだ。そこにあって、肌をこすり続ける。忘れるなと、静かに言ってくる。

伯父の家には子どもが二人。叔父の家には一人。
そこに私が加わった。

ただでさえ足りないご飯を、もう一人分、分けなければならなかった。

農繁期は、夜明け前から畑に出た。
私はいとこたちと一緒にとうもろこしをもいだ。葉で手のひらが切れて、赤い線が何本もできた。ひりひりして痛かった。

昼ご飯のとき、叔母は野菜炒めの中の豚肉を、一枚いとこに、一枚私にのせた。
叔母の茶碗には、青菜と漬物しかなかった。

私はそれを見て、肉を叔母の茶碗に戻した。

叔母は一瞬止まって、箸で私の茶碗のふちを軽く叩いた。

「育ち盛りなんだから、食べなさい」

大きな声ではなかった。
でも、逆らえない声だった。

その肉が最後にどうやって私の茶碗に戻ったのか、もう覚えていない。
覚えているのは、その日の午後の太陽がやけに強かったことだけだ。汗が目に入って、少ししみた。

後になって、ある資料を見た。
私たちのような田舎で、親を頼れなくなった子どもが学校を続けられるのは、十人のうち四人にも満たないという話だった。

多くは早く働きに出る。
家の畑を手伝うしかなくなる。

私が教室に座り続けられたのは、伯父の家と叔父の家が、黙って決めてくれていたからだ。

学校にかかるお金は、一年は伯父の家。次の一年は叔父の家。
生活費は、その時に少し余裕のある家が出してくれた。

リュックの中に、ゆで卵が二つ入っていることもあった。
しわくちゃのお札と小銭が、そっと入っていることもあった。

彼らは一度も、
「お前を学校に行かせてやっている」
とは言わなかった。

ただ、こう言った。

「ご飯は一杯くらい増えても変わらない」
「服は着られるなら、捨てるもんじゃない」

高校二年の冬は、ひどく寒かった。
私の防寒靴は破れて、つま先が見えていた。

私は何も言わず、古い布を巻いてごまかしていた。

ある日、叔父が町の朝市から帰ってきて、新しい冬靴を私に投げるように渡した。
黒くて重い、いちばん安くて丈夫そうな靴だった。

「たまたま安かったから買った」

叔父はそう言った。

でも私は知っていた。
その靴を買うには、米を何キロも売った分くらいの金がいる。

履いた瞬間、足が一気に温かくなった。
その温かさが、脚を通って胸まで上がってきた。

喉の奥が詰まった。
私は急いでしゃがみ、靴ひもを結んだ。

ずっと、結んでいるふりをした。

大学受験の数か月前、私は眠れなくなった。
不安で、夜中に何度も目が覚めた。

伯母がどこかで聞いてきた。
寝る前に温かい牛乳を飲むと落ち着く、と。

それから、家に毎日一本だけ届く牛乳は、年下のいとこではなく、私のために残されるようになった。
夜、勉強から帰ると、ストーブのそばで温めてあった。

正直、私は温かい牛乳が得意ではなかった。
それでも毎回、一滴も残さず飲んだ。

あの一杯の温度は、疲れきった夜を何度も越えて、今もまだ私の中に残っている。

大学に受かったと分かった日、村じゅうに話が広まった。
伯父も叔父もその日は酒を飲んで、顔を赤くして、何度も人に言っていた。

「やっぱりな。この子はやると思ってたんだ」

それが、彼らにできるいちばん素直な誇りだった。

出発の前の晩、叔母が私を奥の部屋に呼んだ。
手縫いの布袋を出した。

中には、五万円がきちんと畳んで入っていた。
一万円札も、千円札も、小銭もあった。

「伯父さんと叔父さん、それから親戚で少しずつ出したの。都会はお金がかかるから、自分をあまり削っちゃだめ」

私は断ろうとした。

叔母の手が、私の手を強く押さえた。
まるで鉄のようだった。

「持っていきなさい。これは情けだから、覚えておきなさい。いつかちゃんと働けるようになったら、根っこを忘れちゃだめ。でもね、これは借りじゃない。私たちへの借りじゃない。自分への借りだよ。食べてきた苦労に、眠れなかった夜に、ちゃんと顔向けできる人になりなさい」

私はその布袋を握った。
布がざらざらして、手のひらに当たった。

その時、ようやく分かった。

家族というものは、きれいな言葉だけでできているわけではない。
食卓で一杯分のご飯を増やすこと。
夜のストーブのそばに、牛乳を残しておくこと。
古い服を渡しながら「ちょうどいい」と何でもない顔で言うこと。
肉を譲り合って、最後は黙って受け取らせること。

そういう小さなことの積み重ねだった。

彼らは、私に完全な家をくれたわけではない。
でも、崩れそうな私が立っていられる場所を、何度も何度も作ってくれた。

大学を出て、私は街で働くようになった。
暮らしは少しずつましになった。

それでも忘れない。

袖を継ぎ足したジャージ。
茶碗の上を行ったり来たりした豚肉。
重たい黒い冬靴。
ストーブのそばの牛乳。
ざらついた布袋。

私は定期的に仕送りをした。
服も送った。健康食品も送った。

そのたびに彼らは言う。

「無駄遣いするな」

でも近所の人から聞いた。
荷物が届くと、二人とも本当にうれしそうに笑っているらしい。

去年の正月、私は帰省して、伯父と叔父を町の店に連れていった。
新しい服を買うためだった。

叔父は上着を試着して、鏡の前で何度も体をひねった。
それなのに口では言った。

「派手すぎるだろ。畑の人間がこんなの着てどうする」

伯父は生地を触りながら、まず値段を聞いた。

私は笑って、
「高くないよ」
と言った。

会計をしながら、昔の自分を思い出した。
古いジャージを受け取った、あの少年のことを。

時間は、丸く回って戻ってくるのかもしれない。
あの頃もらった温度を、今になって少しずつ返している。

もちろん、同じだけ返せる日は来ない。

人生は、たぶんそういうものだ。
大げさな救いなんて、そう多くはない。

本当に人を支えるのは、伯父や叔父の家みたいに、生活の泥の中で黙って差し出される手だ。

彼らがくれたのは、立派な未来ではなかった。
沈まないように、下から支えてくれた力だった。

それは粗くて、重くて、言葉にしにくいものだった。
けれど、その力があったから、15歳で帰る場所を失った少年は、痩せた土地の中から、光のある方へ向かって、どうにか育つことができた。

爽やかな風を感じる季節がやってまいりましたね。昔より少なくはなりましたが大きな鯉のぼりが庭先で風と一緒に泳いでいる姿を見かけると子どもの頃のワクワクとした気持ちを思い出します。ゴールデンウィークに突入して、白浜の街も本格的な観光シーズン到来...
01/05/2026

爽やかな風を感じる季節がやってまいりましたね。
昔より少なくはなりましたが大きな鯉のぼりが庭先で風と一緒に泳いでいる姿を見かけると子どもの頃のワクワクとした気持ちを思い出します。
ゴールデンウィークに突入して、白浜の街も本格的な観光シーズン到来に向けてあちこちで準備を始めているお店を見かけるようになりました。
当店は今年も安定の完全休業となりますが、皆様もどうぞ良い休日をお過ごしください。
今月もよろしくお願い申し上げます。

今年のゴールデンウィークは自宅で新しくやって来たヒヨコ達のお世話をしながら過ごす予定です🐣

#白浜 #本屋 #古本屋

「蛇の棲む水たまり」/ 梨木香歩・鹿児島睦新刊 |ブルーシープ   | ¥2,200これは絵皿から生まれたお話です。陶芸家・鹿児島睦さんの作った絵皿から作家の梨木さんが物語を生み出してできた絵本です。装丁にも一工夫施されていて、表紙には大き...
28/04/2026

「蛇の棲む水たまり」/ 梨木香歩・鹿児島睦
新刊 |ブルーシープ | ¥2,200

これは絵皿から生まれたお話です。
陶芸家・鹿児島睦さんの作った絵皿から作家の梨木さんが物語を生み出してできた絵本です。
装丁にも一工夫施されていて、表紙には大きな丸い穴があいているのですが、これがもしかして水たまりなのかしら?と表紙を開いた途端、美しくて不思議な物語が始まります。なりたい自分を、自分の中で見つけ出すことを教えてくれる物語。

#本 #本屋 #アイボリーブックス #蛇の棲む水たまり

「旅の絵日記〜中東編」/ すけのあずさ新刊 |ZINE   | ¥1,200海南在住の絵本作家&イラストレーターのすけのあずささんの旅の絵日記ZINEの第2弾が入荷しました。すけのさんが実際に2年かけて訪れた世界の国々と町並み、人々と食べ物...
17/04/2026

「旅の絵日記〜中東編」/ すけのあずさ
新刊 |ZINE | ¥1,200

海南在住の絵本作家&イラストレーターのすけのあずささんの旅の絵日記ZINEの第2弾が入荷しました。すけのさんが実際に2年かけて訪れた世界の国々と町並み、人々と食べ物など見たもの感じたものをスケッチした絵日記です。第1弾の中米篇から1年半、個人的にも楽しみにしておりました。今回も中東の国の食文化や現地の人との交流が活き活きとした表情でスケッチされていてほっこりとした気持ちになります。本書のなかでご本人も語っておられますが、昨今の不安定な国家情勢に巻き込まれている人々が無事であること、すけのさんご夫婦が訪れた当時のような生活に戻れることを一読者としても願ってやみません。
今回の第2弾を販売するにあたり品切れだった第1弾(税込¥1,000)も店頭にて販売中です。

#本 #本屋 #アイボリーブックス #すけのあずさ

03/04/2026
営業日のお知らせ4月よりお店の営業日を基本的に火、水、金、土とさせていただくことになりました。店内での展示企画や、祝日があった場合は振替えで木曜日も営業する場合がございます。色の着いているところがお店を開けている日なのですが、改めて少ないな...
02/04/2026

営業日のお知らせ

4月よりお店の営業日を基本的に火、水、金、土とさせていただくことになりました。
店内での展示企画や、祝日があった場合は振替えで木曜日も営業する場合がございます。
色の着いているところがお店を開けている日なのですが、改めて少ないなぁ…と我ながら思ったりもするのですが、当面はこのスケジュールで頑張って参ります。
今月もよろしくお願い申し上げます。

#本屋  #古本 #白浜
#和歌山

「作家と犬」/「作家と猫」新刊 |平凡社  | 各¥2,090犬派か猫派かときかれるといつもちょっと考えてしまう。犬は表情が豊かで見てて飽きが来ず。時に、前世はヒトだったんじゃないか?と思うほど人間味のあるアクションを見せてオキシトシンの放...
02/04/2026

「作家と犬」/「作家と猫」
新刊 |平凡社 | 各¥2,090

犬派か猫派かときかれるといつもちょっと考えてしまう。犬は表情が豊かで見てて飽きが来ず。時に、前世はヒトだったんじゃないか?と思うほど人間味のあるアクションを見せてオキシトシンの放出を手助けしてくれます。かたや、猫はマイペースさと、ちょっと奔放な振る舞いを飴と鞭のように使い分けながらあのゴロゴロ音でこちらを懐柔してくるところが愛しいし。
そんな犬と猫に作家の人々も蕩かされたり、泣かされたりしていたみたいです。
室生犀星がユーモアに少しのロマンチックも加えて作った犬の詩、昔話の「桃太郎」を犬目線で描いた手塚治虫の「イヌ」。向田邦子が惚れに惚れた猫のマミオ、
短い漫画の中に「母性の誕生」を巧みに入れたやまだ紫の「山吹」など、どちらの本にもパートナーであった犬猫への愛情と親しみがたくさん詰まっております。

#本 #本屋 #アイボリーブックス #和歌山 #白浜

住所

Nishimuro-gun, Wakayama
6492211

営業時間

火曜日 11:00 - 16:00
水曜日 11:00 - 16:00
木曜日 11:00 - 16:00
金曜日 11:00 - 16:00
土曜日 11:00 - 16:00

電話番号

+81739207011

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